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マインドフルネスと解決志向アプローチ~自分らしい瞬間を探す方法~

世界的禅僧、詩人でもある ティク・ナット・ハン先生の瞑想観。


瞑想は、座るだけでなく、歩いている時や 食事をしている時にもできる。


いつでもどこでも、その気になれば、 ほんの少しの瞬間でも、瞑想(あるいは マインドフルネス)を私たちは実践する ことができます。


今そこに、気持ちを向けて、心を込めると いつもとは違う新鮮な気づきを楽しむこと ができたりします。


そうした瞬間を味わうことができるように なると、「やらなきゃ」ではなく、 瞑想から離れているなと感じたとき、 「やりたい」と自然に思うようになり、 またさらには気づいたら「そうしている」 のが当たり前になっていき、そうしている 時間が日常に増えれば増えるほど、 いつも気にしていたはずの問題や症状は これまでのように自分にとって大きな影響を 与えていないことにも気づくようになります。



例えば、心理療法やコンサルティングにおいて 核としている解決志向アプローチ(ブリーフセラピー)では、

「例外探し」を大切にしています。


例外とは「すでに起こっている解決の一部」と 捉え、日常でその例外、自分がこういう瞬間は 続くといいなと感じた時のことに焦点を当てます。


そして、その例外はなぜ起こったのかを追求します。

これを「成功体験(例外)の責任追求」と呼び、 例外を偶然なものと終わらせず、なにが良かったのか、どのような状況や工夫でそれが起きたと考えられるかを探っていきます。


そうすると、次の例外を起こしやすくなります。


例外が日常で増えれば増えるほど、自分にとって望ましい、心地よい、

あるいは安心して過ごせる時間が自分の中で多く占められるようになり、

結果として、自分が感じていた問題の影響力は小さくなっていきます。



あなたにとって、どんな状態でいられることが嬉しいでしょうか?



望ましい自分らしさを感じるのに、 こんな問いかけがヒントになることがあります。



私にとっては、何かを成し遂げることも魅力的ですが、

成功していようが失敗が続いていようが、それ以上に、それでもなお今ここに気持ちが こもっているのを瞬間瞬間に感じられる、大切な人とつながりを感じられる時間が続いていることの方が、以前に比べると自分らしさを深く感じるようになっています。


マインドフルであることを継続することは楽しいし心地よい。


いつでもそうありたいと思っています。



あなたの場合はどうですか?


例えば成功した先に、あるいは例えば問題が解消した先に、どんな心持ちで日常を

過ごせる自分でありたいですか?


どんな人と時間を過ごしているのでしょうか?




解決志向アプローチ(ブリーフセラピー)では、3つの未来像に注目します。


「こうすべき」の義務的未来像、「こうしたい」の願望的未来像、そして

「(当然)こうなっている」必然的未来像です。


一番自分らしさに近づいていく力を持っているのは、必然的未来像です。


こうありたい、こうしたいという願望の未来像よりも、「当然こうなっている」「自然に

こうしている」という必然の未来像です。肯定的なアファーメーションにも通じるかもしれません。


時制で表現すると未来完了進行形、でしょうか。


すでに実現されている未来像(イメージ)というのは、現在抱えている問題や問題の原因とはまったく別次元で、構築することができます。


「問題の解決」と解決(像)の志向との大きな違いはここにあります。


本当だったら、こうありたい自分イメージは、すでに実現されている未来イメージです。


未来イメージというと、はるか先の時間軸を思いがちですが、これは1か月先でも、1週間先でもいいし、数日後、1日後、この後すぐのことであっても思い描くのは自由です。


「宿題をしなきゃ」「~までに仕事を終わらせなくては」「ご飯を作らなきゃ」「洗濯しておかなくては」など、近い時間軸では、義務的な未来像が出てきやすいかもしれません。必要に迫られてのことが多いですね。


願望の未来像は、「これが終わったらテレビを観たい」「ゲームがしたい」「少しゆっくり休みたいな」「おいしいものが食べたいな」「友達と会いたいな」「映画に行きたいな」「旅行にいきたいな」など、すぐできそうなものから、度々頭に思い浮かべては実現できずまた思い浮かべるのを繰り返すというものまで様々です。


さて、それでは必然的未来像はどうでしょうか・・・?


今日これから一日を終えたあなたは、就寝前にお風呂にも入り、体も休息モードになり、

自然と眠気が訪れて来ることでしょう。


そして、一日の疲れを癒す眠りの世界に心地よく入っていきます。


さて、あなたが寝ている間に、まるで魔法のように奇跡が起きてしまったとします。

あなたの抱えている問題が解消してしまうような、そんな奇跡です。


少しだけ、おかしな話かもしれませんが、奇跡が起きてしまったと思ってみてください。


なぜか奇跡が起きてしまいました。




・・・けれども、その素晴らしい奇跡が起きたことを、あなたは知りません。

寝ている間に起きてしまったことだから、気づいていません。



さて、それでは、翌朝目が覚めてから、あなたに奇跡が起きていることに、

どんなことから気づくでしょうか?


・・・・・・



・・・・・・



目覚めた瞬間から、何か違いを感じますか?


気分が違うでしょうか、体の感じが違うのに気がつくのでしょうか。



それとも、もう少し後から、何か違うなと感じるでしょうか。


なんだか気分がいい、調子がいい。目覚めて起き出してから、また、

家族や身近な人から、あなたに変化が起きたことに触れられて、気づくのでしょうか。


奇跡なんて、と言わずに、仮に奇跡がもう起きてしまっていたとしたら・・・

そうだとしたら、どうでしょうか。


奇跡が起きているとしたら、あなたの気分や考えはいつもと違ってどんな風に展開している

のでしょうか。


いつもだったら、ため息や不機嫌な表情をしてしまうところを、奇跡が起きたあなたは

例えば穏やかな深呼吸と共に、心地よい空気や外で鳴く鳥の声に耳を澄ませながら、

自分自身にやさしく微笑むことをしているかもしれないし、顔を合わせた家族に笑顔で

「おはよう」と声をかけているかもしれません。


またいつもだったら、時間に追われて必死に仕事や作業に取り組むところを、奇跡が起きているあなたは、どこかでゆとりをもって、いつもより心を込めて人と会話を交わしたり、仕事に集中しているかもしれません。


さらに、いつもだったら、ただ疲れて帰って寝ているところを、奇跡が起きたその日は、

なぜか会おうと思ってなかなか会えずにいた友人に連絡をして、久しぶりの再会を果たし

楽しい時間を過ごしているかもしれません・・・


そしていつもだったら、エネルギーのない状態で帰宅して疲れていたかもしれないあなたは、どこか充実した、満ち足りた気分になって、気持ちも穏やかになっていることに気がつくかもしれません。そばにいる家族とも、心なしかやわらいでいて、いつも以上に居心地の良さを感じているかもしれないですね。


・・・


いかがでしたでしょうか。


奇跡の起きた一日というのは、奇想天外なことが起きるとは限らないのかもしれません。


ふだんより、ちょっとなんだかいいことが起きたり、少しいい気分で過ごせたり、そんなようなことだったりします。それでも、奇跡の一日です。もちろん、もっと派手な奇跡の一日があってもいいかもしれません。


大切なのは、自然に湧き上がってくる必然的な未来イメージです。

良いとか悪いとかでもなく、できるできないでもありません。


奇跡が起きてしまったら、どう「している」「なっている」か、だけが重要なポイントです。


時間は、長さを持っているようで、実際は瞬間瞬間の連続です。


瞬間瞬間、次の瞬間、自分はどういう自分で在りたいか、自分らしい自分だとしたなら、

どういう自分で在るのか。一瞬先の未来像、未来イメージをちょっとだけ思い描いて見ることも、新たな発見があるかもしれません。


Memories from the Root Temple: Closing the Door


https://plumvillage.org/news/memories-from-the-root-temple-closing-the-door/?fbclid=IwAR0nDFuM-VzJg2Ku36CkdWzWQs1fsnq9hkGXi1r06-WVy8deh-PcggbLxQ0











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