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自分らしさの正体?BASIC-Phという6つの生きる力チャンネル その2


怒りの裏側にあるもの ~怒っている人は困っている人、あるいは~



 対人関係をめぐる強い怒りの感情や、激務のストレスに伴う、心身の不調で苦しんでいる男性(会社役員)がいました(Aさんとします。発表のご了承は得ていますが内容は修正しています)。



 初回のカウンセリングでお会いした時から、ご自身の置かれた状況やストレスに関わる対人関係の相手(会社関係者)に対して、「許せない」「悔しい」という思いが強く、先日も相手の家に殴り込む勢いになり、家族に泣きながら羽交い絞めにされて引き留められたという騒動もあったようでした。



その時も、相手に会いに行こうという気持ちと共に体が痛くなり身動きが取れないというほどの症状が起きていました。その話をしているAさんの表情は、怒りと共にとても苦しそうでした。



 お話を聴いていて、私にはAさんの「身体」で表現される症状は、Aさんを引き留めた家族同様、Aさんを守ろうとして働いているものだと感じたし、また「許せない」という気持ち、「感情」の背景には、「会社経営を健全なものにしたい」「社員にとって良い会社にしたい」という強い「信念」(「社会」チャンネルを含む)があったからこそ、理不尽な言動を続ける相手のことを看過できないでいたという関係が伝わってくるのを感じました。



 だからこそ、私からは、Aさんの会社を大切にしたいという強い信念について共感と敬意を示した上で、怒りのコントロールをしたいという目標に取り組むためにも、間違って相手に暴力をふるうようなことはしないようにしてほしい、そうでないとカウンセリングで一緒に取り組むことはできないとお伝えしました。

 


 すると、Aさんは姿勢を正して、「絶対にそんなことはしません」と穏やかな表情になって応答されました。その目はとても澄んでいました。

 


 かくして、懸念していた暴力事件は起きることなく、心理カウンセリングは進んでいき、時にはご家族にも協力してもらって、一緒にカウンセリングを行ったり、EMDRという心理療法で、直近や過去の複数のトラウマを解消したり、セルフケアを習得してもらうことなどを経て、症状は改善し、感情も自ら調整を図れるようになっていきました。

 


 そして、紆余曲折を経ましたが、やがてカウンセリングは卒業し、Aさんは社長に就任されました。

 


 心理カウンセリングで一番重要なのは、互いの信頼関係です。



 これは目に見えないものですが、これがないとどんな技法を使ったとしても、カウンセリングや心理療法は進展しづらくなります。



 Aさんらしいチャンネルを見つけることが信頼関係を築く鍵だったのです。

 


 近年「アンガーマネジメント」、怒りのコントロールという言葉がストレスマネジメントの領域では流行っていますが、怒りは悪だから、管理しないといけないという発想だけで取り組むのであれば、あまり効果的には働かないでしょう。



 なぜなら、怒りの背景には、困っている現実的な状況があったり、「わかってもらえない悲しさ」「伝わらない苦しさ」など他の感情も潜んでいたり、「こうありたい」という信念が働いていることが少なくないからです。



 Aさんは、たしかに怒りが強すぎるゆえに対人関係や心身に支障をきたしていましたが、

その背景でもあり、原動力となっている信念に軸を置き直して、いつでも自分にとって大切な価値に戻るということで、結果的に感情も乱されず、冷静さを取り戻しやすくなっていかれました。

 


 またAさんとは、「仕事とはどうあるべきか」、社員の働きやすさ、組織マネジメントや営業の在り方、さらには趣味のオーディオ機器や音楽の話題でも話に花が咲きました。その話題をしている時も、とても生き生きとした様子になるのでした。


 

 Aさんの中の「信念」「認知」「想像」「感情」のチャンネルなどが活性化する時間でもありました。

 


 蛇足ながら、「新しいパソコン紛失事件」では役に立たなかった私の「信念」チャンネルが、Aさんとの対話の中では互いに通じるところがあり、良い方向に機能したのでした。



 臨床心理部という新しい部門を立ち上げてチームや組織をまとめる立場にあった身としても、「人や世に貢献する会社や組織がどうあるべきか」という視点は、自然に関心が持てるところでもあったし、話を聴けば聴くほど、Aさんは実際に豊富な知識と実績を持っていらっしゃるのが分かりました。


 

 と同時にその真摯さゆえに多くの仕事を抱え込み強度のストレス、心身の不調を招いていることも明確になっていきました。



 そうしたご自身の関心がある話題を話すゆとりが増えていったことも、回復の促進やAさんらしさを取り戻すことにつながったように感じます。



 カウンセリングと言うと真面目に悩みについて話して、カウンセラーが真面目に聴くというイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそういうやりとりだけではありません。



 カウンセリングや心理療法というのは、本質的には生きた人間同士の対話であり、静的な要素もあれば動的な要素もあります。



「話を聴くだけ」「アドバイスはしない」という教科書的な原則はありますが、特に私のカウンセリングでは、たくさん話を聴きますし、たくさん私が喋ることもあります。



 話を聴いた分の応答が自然な対話になるのであり、場合によっては、必要に応じて具体的な提案や助言をするコンサルティングも行います。



 パーソナルコンサルティングにおいても、BASIC-Phチャンネルの再発見や活性化に注目することは、必要不可欠な要素となっています。




『致知』人間学を学ぶ月刊誌 

 B(Belief)「信念」チャンネルを象徴する雑誌です。私の愛読書のひとつです。


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